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ブルースの歌のはなし 〜なぜブルースは恋愛の歌が多いのか〜




ブルースの歌のはなし 〜プロローグ〜
ブルースの歌のはなしカテゴリ(過去の記事)



なぜブルースは恋愛の歌が多いのか。

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人が話してるのを耳にする事もあるし、聞かれる事もあるし、もう事実として捉えていて、そもそも疑問にも思わない人もいると思いますが、多いですね。


まだ黒人差別が酷かった時代、白人が音源を録音する環境で本音は歌えず、その不満の表れを男女の恋愛に置き換えているというような話を、かなり前に聞いたか読んだ事がある記憶もあって、それは絶対一つの要因としてあったのだろう思う。

「魂をゆさぶる歌に出会う」でも、理由の一つとして、”ブルースでは理不尽なアメリカ社会を恋人の女性にたとえて歌っている”ともあり、「黒人ブルースの現代」でも似たような記述がありますね。こちらは女性という限定的な言い方でなく、黒人が置かれている状況を象徴的に示しているという表現ですが。


露骨なものから、きわどいもの、今の時代では危ういもの、想像豊かなもの、滑稽なもの、絶望的なもの、感情的なもの。
時代にもよるけど、淡い少女漫画的なものはあまりないですね。

ブルース界で有名なロバート・ジョンソンの幼少の家庭環境から毒殺されるまでの一生を見ても、その複雑で流動的な大人の恋愛が、生まれた時からずっと身近に纏わり付いてたのだろうとの推測は容易に立つのですが。

今回の参考文献^^:は、3冊登場。

ブルース
湯川新
法政大学出版局


魂をゆさぶる歌に出会う
ーアメリカ黒人文化のルーツへ
ウェルズ恵子
岩波書店


黒人ブルースの現代
三井徹
音楽之友社


端から端までじっくり読んでるわけではないですが、3冊ともなかなかお気に入りです。
ウェルズ恵子さんの本は他のも持ってるけど、ブルース以前(奴隷制時代)の話なども覗けて興味深くも考えさせられる。
(「ブルース・ピープルー白いアメリカ、黒い音楽」も同様だけど、こちらはもうちょっときつい事実がたくさん書いてあってガツンと衝撃がくる感じ。)


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淡い恋愛を体験できるような特権的な時期も無く、常に命を脅かされる未来も見えない境遇で、生活や人生や唯一手に届く娯楽(快楽)という性格をもった恋愛を背負って、一気に大人になる。
恋愛に生活は切り離せないし、その人の人生、命自体が切り離せない。

男性の仕事はキツイ上に給料も少ない(土地に縛り付けるために、給料から色々引いて、次の年に借金する感じにさせられたりとかもあるらしい)
女性はいくつか仕事の種類があって、男性よりはまだマシだったようで、支えてくれる女性が側にいるかいないかで人生を左右すると言っても過言ではないですね。


あの子に振られたら死んじゃうなんて歌詞の曲がいっぱいあるけど、振られたら実際に生命が脅かされる危険性があったってことで。
振られたから次の子に行くとかなんて歌詞の曲もいっぱいあるけど、次の子との生活&気持ちの支えがないと、生き続けてはいられなかった時代があるってことで。



歴史的に見れば楽しく語れる話ではないのだけど、労働歌であるみんなの歌の時代からブルースという自分の歌へ移り変わる時代。

ブルースのすごいところは、それをただただ悲しい嘆きの歌にするのではなく、仕事歌などで歌い継がれてきた音のエッセンスを受け継ぎながら、擬人化や誇張、韻の遊び、様々な解釈が取れる豊かな詩的表現で、過酷な環境の中でも何かを楽しむという力を与えてきた、長く厳しい時代を生き抜くための何世代もの知恵が詰まっている。

男女間の恋愛をブルースという手段で生き生きと表現する事は、その時代を生き抜く手段の一つでもあったわけですね。

だから、表面的に歌の意味だけ言っちゃえば、悲しく冷たい歌が多いんですけど、蓋を開ければ、色んな愛が詰まった命のある暖かい歌なんですね。


「ブルース」で湯川新さんが抜粋している文章をさらに抜粋。
”日常生活にどっぷりとつかっていながら、これを超越しようとする唄、これがブルースの恋唄である。ブルースの詞について先駆的な論文を書いたS・I・ハヤカワはこれを指して<生きる知恵>と呼んだ。

いやいやまさに。

今度これ読みたくなるじゃん~

ポピュラー・ソング対実人生
S・I・ハヤカワ
(大衆の時代 鶴見俊輔編)
平凡社




にくにくしい肉食系の歌詞は歌負けするので、自分が選曲する歌は、この点に関してはそれなり止まりです。w





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